ダンスのキャリアを築くには、オーディションに参加して実績を残していくのが一般的でした。できるだけ多く参加して、履歴書を埋められようにすることが重視されていたのです。ソーシャルメディアの普及によって、その風潮に大きな変化が起こっています。SNSをチェックすれば、ダンスの写真や動画をアップしている人がたくさんいると気付くでしょう。もちろんプロのダンサーがアップしているケースもありますが、その大半はデビューもしていない人たちです。
そのような人たちは、以前は他人に自分のダンスを見てもらえる機会など持てませんでした。必死に練習しても、褒めてくれるのは友人や家族ぐらいです。動画を撮影してプロダクションに送っても、実際に見てもらえる可能性は高くありません。なぜなら、毎日のように大量に送られてくるので、わざわざ目を通していられないというのが実情です。しかし現代であれば、SNSにアップすれば、多くの人に見てもらえる可能性があります。ダンスのスキルが優れていれば、褒めてくれる人が必ず現れるはずです。拡散されるにしたがって、いつのまにか知名度が高くなっていることも珍しくありません。
ソーシャルメディア での存在感が大きくなってくると、ちょっとした有名人のように扱われるようになります。実際、SNSで公開している動画がテレビで紹介されるケースはよくあります。そうなれば、プロダクションの目にとまって、作品に出演してほしいというオファーをもらう可能性も十分にあるでしょう。そう言われても、それほど順調に事が進むとは思えないかもしれません。たしかに、デビューできる確率は非常に低いことを知っておく必要があります。しかし、キャリアの観点では決して無駄にはならないので安心してください。キャリアとは自分が歩んできた道筋であり、SNS上に残してきたものはそれ以外の何物でもありません。
たとえば、Instagram で多数のフォロワーを持つインフルエンサーになれば、それだけで立派なキャリアといえます。少なくとも、有名でない作品に一度出ただけの人よりも、十分な経歴があると主張できるのです。まずはソーシャルメディアを最大限に活用して、自分のダンスをできるだけ多くの人に見てもらいましょう。ただし、やみくもにアップするのは良くありません。フォロワーを増やすことを目標に頑張れば、スキルも次第に上達していき、他のメディアで日の目を見る可能性も高まります。