疲労骨折という言葉を見聞きしたことがある人は多いはずですが、どのような症状が起こるのか理解できていない人も多いです。骨折は転んだときやぶつけたとき、何かの下敷きになったときなどに骨がポキッと折れるものだと思っている人が多いですが、疲労という名前がつく場合は1回の負荷で折れるわけではありません。継続的に同じ場所に力が加わることで折れてしまうものです。慢性的なスポーツ障害の1つとして知られており、ランニングやジャンプのように同じ動作を何度も繰り返すような選手に多いケガだと言えます。スポーツなどを要因として疲労骨折が起こった場合、ケガを理由とするときのように強い痛みやひどい腫れを経験するケースが少ないです。捻挫だと思って病院に行かず競技を続けてしまう人もいますが、最初は亀裂が入っているだけでも競技を続けることで完全に折れてしまう可能性が高いので注意が必要だと言えます。
具体的な症状には運動中や圧迫時の痛み、問題が起こっている部分のわずかな膨らみや腫れが多いです。外傷骨折ほど分かりやすい症状ではないので見過ごしてしまう人が多いですが、実はこのケガを経験している可能性があります。ケガをした覚えたないのにわずかでも痛みや腫れがある場合、いつもの動作に違和感がある場合は、この症状の可能性があることを理解しておきましょう。
もしも、疲労骨折が起こってしまったのであれば、運動をやめて安静に過ごすことが重要です。早く復帰したいはずですが、確実に治すためには原因となったであろう動作を1か月から2か月程度行わないことが大切だと言えます。大したことないだろうと初期症状を放置してしまうと治療期間が長くなるだけでなく、再発を繰り返したり手術をすることになったりする場合もあるので要注意です。予防のためには過度なトレーニングにならないように調整したり、同じ部位に負担がかかる動作を何度も繰り返さないようにしたりすると良いでしょう。
事故や転倒で大きな力が加わったとき以外でも、骨が折れてしまうことはあります。疲労によって骨に問題が起こっている場合は気がつきにくいことが多いですが、少しでも違和感を覚えたときには医療機関を受診することがおすすめです。一時的なものだろうと甘く考えてしまうと、重大な問題に繋がってしまう恐れもあります。しばらくスポーツができなくなるだけでなく、復帰が難しくなってしまうリスクもあるので気をつけておきましょう。